ご挨拶

平成29 (2017)年度の公益社団法人日本植物学会第81回大会は、9月8日(金)から10日(日)の日程で、東京理科大学・野田キャンパスで開催されることになりました。

日本植物学会は、今年創立135周年を迎えます。2012年に公益社団法人となり、「植物学に関する研究の進展と知識の普及を図り、それによって学術全般の発展に寄与する事を目的に設立された学術団体」として、これまでの長い歴史を継承しつつ、新たな歩みを始めています。年一回開催される大会は、会員相互の理解や交流を深める貴重な機会です。

植物科学は、植物の理解を深めると共に、食糧・環境・エネルギー問題など、現代社会が直面しているさまざまな課題を解決し、私たちの社会を持続可能なものとするために、今後ますますの貢献が期待されています。21世紀に入りゲノム科学が急速に進展したのを契機として、植物科学にも分子レベルの視点が積極的に導入された一方で、植物学会では個体・生態系・地球規模という様々な階層での研究が展開されて来ました。学問の細分化が叫ばれて久しい中、日本植物学会は、分子・細胞レベルのミクロな現象から生態系のマクロな現象まで、生理、発生、形態、系統進化、生態等々、植物科学の広範な分野の研究者が、専門分野を超えた議論ができる学会として、新たな魅力が増して来ているように思います。本大会では多様な視点からの議論の場を提供することにより、今後の植物科学の発展に少しでも寄与できればと考えています。植物科学に関心のある多くの皆様に、是非ご参加いただきますよう、御案内申し上げます。

本大会では、ご参加いただく皆さまの講演、ポスター発表はもとより、学会賞のご講演や、オートファジーなど先端研究のシンポジウム、ランチョンセミナーなど、多彩なプログラムを多数計画しております。基本的に一つの建物の中でシンポジウム、一般講演、ポスター、企業展示等を行いますので、移動の手間を省き、研究発表と討論に集中していただける理想的な場となると期待しています。

最終日には、高校生や一般の方々と植物学会員が直接触れ合い、次世代の育成や、植物科学と社会との関係を考える、公開講演会「植物の生き方・人との共生」(科学研究費研究成果促進費補助事業)、高校生研究発表会等を企画しています。会場となる東京理科大学・野田キャンパスは、キャンパス内に広大な理窓会記念自然公園を持ち、国土交通省や地元自治体と連携しながら、環境保全活動も進められています。そこで、公開講演会の最後には、高校生・大学生、一般の方々と学会員とが一体となって自然公園を散策しながら、植物や、植物と人との関わりについて議論する機会を設けました。是非とも最終日の夕方まで御参加いただき、次世代を担う若手や一般の方々も交えた交流をお楽しみいただきたく、御案内申し上げます。

東京理科大学野田キャンパスは、東京都心、つくば、大宮からのアクセスがよく、秋葉原駅から最寄りの運河駅までは、40分程度、北千住からは25分程度です。大会サイトで紹介している柏地区や柏の葉地区のホテルの他、秋葉原や途中の浅草のホテルに宿泊することも可能です。

是非とも、日本植物学会第81回大会にご参加いただき、最先端の植物科学の発展の輪に加わっていただきますよう、お願い申し上げます。

日本植物学会第81回大会 大会会長
東京理科大学理工学部応用生物科学科教授・農理工学際連携コース長

朽津 和幸

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