補助金等支出明細書
法人名 (社)日本植物学会
1.補助金等の名称 平成23年度科学研究費補助金
        「研究成果公開促進費研究成果公開発表(B)」
2.事業の目的及び内容  
(1)目的
 東京都は日本で最も広い海域をもつ都道府県であり,伊豆諸島と小笠原諸島が含まれている。これらの島嶼には、地域固有や準固有の植物種が多数見られる。日本植物学会には,小笠原諸島や伊豆諸島の野生植物種の研究を長年にわたって行ってきた研究者が多数所属している。一方で、2010年10月に名古屋でCOP10が開催されたこともあり,生物多様性に対する一般市民の関心は高まっている。さらに今年(2011年)の6月には小笠原諸島がユネスコの世界自然遺産に登録されることに決まり,小笠原諸島は登録の推薦理由となったその特異に生物相と共に,日本国民の注目を集めている。
 そこで,日本植物学会の年次大会を10年ぶりに東京で開催する機会にあわせて,一般市民を対象にして,小笠原諸島と伊豆諸島の野生植物の多様性に関する最新の研究の成果をわかりやすく紹介する公開講演会を開催する。
東京都には,九州南部と似た暖地性の植物も豊富に見られる伊豆諸島,さらにその南に位置し,亜熱帯〜熱帯性の植物が自生する小笠原諸島が含まれる。小笠原は他のどの陸地からも遠く離れているゆえに,そこでしか見られない固有生物種が多数存在し,独自の植物相・生物相が形成されている島でもある。一方,伊豆諸島は,現在も定期的に噴火などの火山活動が見られ,それによって独特な植生や固有種が存在すると考えられている場所である。本公開シンポジウムでは,東京都の島々にどのような野生植物種や植生が見られるか,それらが昆虫などの動物や噴火活動などとどのように関わり合いながら生存しているかについて専門に研究している5名の研究者が講演をおこなった。講演者と講演のタイトルは以下の通りである。
①加藤英寿(首都大・牧野標本館)小笠原諸島と伊豆諸島の植生と固有植物種
②吉丸博志(森林総研・森林遺伝)遺伝子からみた小笠原の野生植物の生態とその保全
  
③安部哲人(森林総研・九州支所)花と昆虫の関係からから小笠原の生態系の異変を見る
④上條隆志(筑波大・生命環境科)伊豆諸島における噴火後の植生の再生〜噴火とともに生きる野生植物たち〜
 
⑤村上哲明(首都大・牧野標本館)繁殖様式が異なるシダ植物と噴火活動の関係
 当日は高校生約50名を含む350名もの参加者があり,会場の教室は満員となった。さらに,当日,参加者に配布した48ページのカラー刷冊子「東京都の島の植物と生物多様性」も非常に好評で,講演会後には知り合いの分の冊子も欲しいという参加者が受付に殺到し,残部もあっという間にはけた。

3.交付先の公益法人の名称 (社)日本植物学会  
4.交付実績額  1,300千円(A)
5.補助金等における管理費  
  (1)人件費   161千円
  (2)一般管理費   81千円
  (3)その他の管理費
    内容   金額
  郵送代  105千円
    設営代 115千円
    印刷代 838千円 
       小計 1,058千円
       合計 1,300千円
6.外部への支出  
  (1)外部に再補助・再委託されているものに関する支出  
  支出内容 支出先 金額
  合計 0千円(B)
  (2)(1)以外の支出    
  支出内容 支出先 金額
    合計 0千円
7.その他 内容   0千円
  合計 0千円
8.再補助・再委託等の割合 0%(B/A)