日本植物学会会員の皆様
新規に先端的低炭素化技術開発事業の募集が開始されました。植物系に十分チャンスがありますので、積極的な応募をお願いいたします。
生物科学ニュース関連記事: http://bsj.or.jp/bsn/A_ban_cal_naiyo.php?pass=2101
事業ウェブページ: http://www.jst.go.jp/alca/koubo.html#T3
多くは工学系の課題ですが、非特定領域があり、この領域では例として、バイオ分野、光合成分野などが挙げられています。この非特定領域分野を、名古屋大学の松岡信教授がプログラムオフィサーとして担当することになります。こ のことは、この非特定領域では、植物研究の応募が強く期待されていることを意味しています。ただ、いつでもそうですが、応募数が分配の根拠になる可能 性が高いと考えられます。非特定領域では様々な分野からの応募が予想されます。その採択を考えるときに、応募数に応じた割合でということになる可能性が高いという訳です。私たちは、植物の重要性を機会あるたびに訴えてきました。今回の事業は、植物の大切さを実際に事業として展開できる、またとない 機会だと思います。是非、良い提案をたくさんの方がしてくださいますようお 願い申し上げます。締切が10月18日までと短いことと、科研費の申請時期と重なることから、早い対応が必要だと思います。
(社)日本植物学会会長
福田裕穂
(社)日本植物学会
会 長 福田 裕穂
下記のように(社)日本植物学会総会を開催いたします。(社)日本植物学会の総会は、定款にもとづき代議員制で行い、総会での議決は代議員によって行います。しかし、正会員(通常会員および名誉会員)はどなたでも総会に立ち会い、議長の許可を得て意見を述べることができますので、是非ご出席ください。また、総会に出席されない会員からのご意見は会長あての文書により平成22年9月3日(必着)までに植物学会事務局までご連絡ください。ご連絡がなく、総会でも発言がない会員におかれては、ご異論がないものとみなして審議を進めさせていただきます。
記
社団法人日本植物学会平成22年度総会
日 時:平成22年9月9日(木) 17:00~18:00
場 所:中部大学 春日井キャンパス15号館2階・1521教室
議 題:第一号議案 平成23年度事業計画案
第二号議案 平成22年度補正予算案
第三号議案 平成23年度予算案
第四号議案 平成23年度大会会長の件
第五号議案 公益法人制度改革対応検討委員会からの提案
以上
(社)植物学会総会議案資料
前記にご案内した9月9日開催予定の総会の各議案に関する資料を以下に掲載いたします。なお、ご質問等がございましたら植物学会事務局までお問い合わせください。
第一号議案: http://bsj.or.jp/osirase/siryou/soukai/H22_1.pdf
第二号議案: http://bsj.or.jp/osirase/siryou/soukai/H22_2.pdf
第三号議案: http://bsj.or.jp/osirase/siryou/soukai/H22_3.pdf
第四号議案: http://bsj.or.jp/osirase/siryou/soukai/H22_4.pdf
第五号議案: http://bsj.or.jp/osirase/siryou/soukai/H22_5.pdf
(社)日本植物学会 平成22年度第五回理事会議事録
日時:平成22年7月31日〜8月24日
場所:インターネット上における持ち回り会議
出席者:福田裕穂会長、長谷部光泰専務理事、園池公毅副専務理事、塚谷裕一理事(編集担当)、神谷勇治理事、河野重行理事、田中歩理事、寺島一郎理事、原慶明理事、三村徹郎理事、彦坂幸毅理事(庶務担当)、石田健一郎理事(会計担当)、東馬哲雄理事(図書担当)
審議事項
議案1.議長の選出
本理事会の議長は福田裕穂会長とすることが提案され、異議なく承認された。
議案2.議事録署名人の選出
本理事会の議事録署名人として田中歩理事・河野重行理事が提案され、異議なく承認された。
議案3.社団法人日本植物学会賞受賞者選考規程の改定
長谷部専務理事より、資料1にもとづき社団法人日本植物学会賞受賞者選考規程の改定が提案された。主な変更点として、奨励賞と若手奨励賞の資格として研究歴を新たに設けたこと、特別賞の講演を不要としたこと、大賞については選考対象者以外からの資料提出で応募申請に代えることなどが説明された。審議を行い、可否投票の結果、可12票、否1票で承認された。
議案4.社団法人日本植物学会賞の評議員推薦に関する覚書の改定
長谷部専務理事より、資料1にもとづき社団法人日本植物学会賞の評議員推薦に関する覚書の改定が提案された。主な変更点として、推薦があった場合、大賞以外は選考対象者に応募を促し、大賞については推薦者あるいは第三者に資料の提出を依頼するものとすること、大賞については以前提出された資料がある場合はそれをもって資料の提出に代えることができるものとすることなどが説明された。審議を行い、可否投票の結果全員可として承認された。
議案5.社団法人日本植物学会賞応募要項の改定
長谷部専務理事より、資料1にもとづき社団法人日本植物学会賞応募要項の改定について提案があった。選考規程の改定をふまえ、奨励賞と若手奨励賞の資格変更を行ったことなどが説明された。審議を行い、可否投票の結果全員可として承認された。
議案6.平成22年度補正予算案の修正について
長谷部専務理事より、石田会計担当理事が作成した資料2をもとに平成22年度補正予算案の修正が提案された。第四回理事会で審議を受けた変更および新たに見つかった数値のミスの修正を行ったことが説明された。審議後さらに修正を経て、可否投票の結果、可12票(投票無し1)として可決された。
議案7.平成23年度予算案の修正について
長谷部専務理事より、石田会計担当理事が作成した資料3をもとに平成23年度予算案の修正が提案された。第四回理事会で審議を受けた変更および新たに見つかった数値のミスの修正を行ったことが説明された。審議後さらに修正を経て、可否投票の結果、可12票(投票無し1)として可決された。
以上にて議事を終了し、閉会した。
(社)日本植物学会 平成22年度第四回理事会議事録
日 時:平成22年7月17日(土) 13:00-18:30
場 所:東京大学理学部2号館 第2会議室(253号室)
出席者:福田裕穂会長、長谷部光泰専務理事、園池公毅副専務理事、神谷勇治理事、
河野重行理事、田中歩理事、寺島一郎理事、原慶明理事、三村徹郎理事(委任状
出席)、塚谷裕一理事(編集長)、石田健一郎理事(会計担当)、彦坂幸毅理事(庶
務担当)、東馬哲雄理事(図書担当)二宮三智子(事務局)
理事13名中13名出席(1名は委任状出席)
開会に先立ち、福田裕穂会長から挨拶があった。
議長として福田裕穂会長、議事録署名人として、原 慶明、寺島一郎両氏が承認された。
I. 報告事項
(1)会務報告 長谷部専務理事より、資料1-1にもとづいて会務報告がなされた。通常会
員の減少が止まったことなどが報告された。
(2)会計報告
石田会計担当理事より、資料2-2にもとづいて平成22年度上半期の会計についての
報告がなされた。会費は順調に集まりつつあること、JPR特集号の増刷に伴い、岐
阜大からの負担による収入増と印刷費増額による支出増があること、シュプリンガー・ジャ
パン株式会社委託のJPR予約購読料が減少しつつあることなどが報告された。
(3)図書関連報告
東馬図書担当理事より、資料1-1にもとづいて、雑誌の交換・受入状況、学会図書の
閲覧状況、ならびに学会図書文献複写依頼状況についての報告がなされた。
(4)植物学雑誌 (JPR) 関連報告
塚谷編集担当理事より、資料1-2および資料3にもとづいて、JPRの編集・発行状
況、その他について報告がなされた。インパクトファクターが昨年に続き1.5を超え
たこと、4号の特集号を発行したことなどが報告された。
(5)日本植物学会賞選考委員会報告
長谷部専務理事より、資料1-2および資料1-3にもとづいて本年度の学会賞受賞者に
ついて報告された。
(6)JPR論文賞報告
塚谷編集担当理事より、資料1-3にもとづいてJPR論文賞について報告された。
(7)生物科学学会連合報告
長谷部専務理事より、資料4-1、2、3、4にもとづいて生物科学学会連合についての
報告がされた。
(8)広報委員会報告
三村徹郎委員長の報告(資料5-1、2、3)にもとづいて、長谷部専務理事より広報委
員会の活動報告がなされた。ホームページ充実のため、生物科学ニュース編集ワー
キンググループとコンテンツ作成ワーキンググループが設立されたこと、小石川植
物園市民セミナーを共催したこと、植物学会広報委員会企画理事会主催シンポジウ
ムを企画していること、大会シンポジウム演者によるレビューをHP上に公開すること
を計画していることなどが報告された。
(9) ホームページ委員会
梶田忠委員長の報告(資料6-1、2)にもとづいて、長谷部専務理事よりホームペ
ージ委員会の活動報告がなされた。ホームページのサーバーを移設したこと、大
会ホームページ関係業務の支援を行ったこと、生物科学ニュースホームページの
管理運営について報告された。
(10) 生物科学ニュースweb版についての報告
彦坂庶務担当理事より、資料7にもとづいて、生物科学ニュースホームページの
概要について報告された。
(11)理数系教育問題連絡会報告
和田元先生の報告(資料1-3)にもとづいて、長谷部専務理事より理数系教育問題
連絡会の活動報告がされた。
(12)男女共同参画学協会連絡会報告
川合真紀先生の報告(資料1-4)にもとづいて、長谷部専務理事より男女共同参画
学協会連絡会報告がされた。
(13)光生物学協会報告
坂本敏夫先生からの報告(資料1-4)にもとづいて、長谷部専務理事より光生物学
協会の活動について報告された。
(14)自然史学会連合の報告について
海老原淳先生からの報告(資料1-5)にもとづいて、長谷部専務理事より自然史学
会連合の活動について報告があった。
(15)財団への推薦などについて
長谷部専務理事より、資料1-5にもとづいて東レ科学技術研究助成、山田科学財団
への推薦について報告がなされた。また、今年度から新たに文部科学大臣表彰若
手科学賞に推薦を行うことになったことが報告された。
(16)協賛・後援など
長谷部専務理事より、資料1-5にもとづいて、協賛2件、後援1件、共催3件に
ついて報告された。
(17)支部活動報告について
長谷部専務理事より、資料1-5にもとづいて、支部活動について報告された。
(18)文部科学大臣の所管に属する特例民法法人の業務等の実地検査の実施について
長谷部専務理事より、資料8にもとづいて、文部科学省の立ち入り検査の結果に
ついて報告された。
(19)平成24年度大会開催地について
長谷部専務理事より、資料1-6にもとづいて、平成24年度大会開催地について近
畿地区が引き受ける予定であることが報告された。
(20)平成22年度中部大会の申込状況について
長谷部専務理事より、資料1-6にもとづいて中部大会の申込状況について報告され
た。
(21)公益法人制度改革対応検討委員会からの報告
園池副専務理事より、資料9-1、2、3、4、5にもとづいて、公益法人制度改革対
応検討委員会の活動について報告がなされた。制度設計について試案作成が進ん
でいること、会計上はおそらく公益認定基準を満たしているであろうこと、その
他公益認定を受けるにあたっての問題点が報告された。
(22)日本学術会議報告
福田会長より、資料15にもとづいて、日本学術会議の動向について報告された。
II. 審議事項
(1) 平成23年度事業計画案
彦坂庶務担当理事より、資料10にもとづいて平成23年度事業計画案について説明がなされた。審議の結果、満場一致でこれを承認した(総会第一号議案)。
(2) 平成22年度補正予算案
石田会計担当理事より、資料2にもとづいて平成22年度補正予算案について説明がなされた。審議の結果、支部費について修正を加え、満場一致でこれを承認した(総会第二号議案)。
(3) 平成23年度予算案
石田会計担当理事より、資料2にもとづいて平成23年度予算案について説明がな
された。審議の結果、満場一致でこれを承認した(総会第三号議案)。
(4) 平成23年度大会開催地について
長谷部専務理事より、資料1-6にもとづいて、平成23年度大会は今市涼子先生を大会会長、邑田仁先生を大会準備委員長として、東京地区の東京大学駒場キャンパスにて平成23年9月16日〜18日に開催される予定である旨の説明がなされ、審議の結果、満場一致でこれを承認した(総会第四号議案)。
(5) 公益法人制度改革対応検討委員会からの提案
園池副専務理事より、資料9-6にもとづいて、公益法人認定申請の方向性や、公益法人となった場合の制度設計などについて提案がなされた。特に、公益法人認定にむけて活動すること、海外在住会員は法人の法律上の社員とはしないこと、JPR事業と大会事業(懇親会以外)を公益事業とし、学会賞は公益事業としないこと、また、公益法人申請にむけて経理面において助言指導を受ける必要があり、費用を伴う可能性が高いことなどが議論され、満場一致でこれを承認した(総会第五号議案)。
(6) 編集委員会予算増額について
塚谷編集長より、資料3-4にもとづいて編集委員会の予算増額について提案があり、審議の結果、満場一致でこれを承認した。
(7) 社団法人日本植物学会賞選考委員会内規の改定について
彦坂庶務担当理事より、資料11-1、2にもとづいて、選考委員会に副委員長をおくことができるよう改正を行う提案があり、審議の結果、満場一致でこれを承認した。
(8) 社団法人日本植物学会賞受賞者選考規程の改定について
彦坂庶務担当理事より、資料11-1、2にもとづいて、奨励賞と若手奨励賞の受賞年限に研究歴を加えること、評議員推薦における大賞の選考対象者の審査方法などについて提案があった。 審議の末、継続審議となった。
(9) 社団法人日本植物学会賞の評議員推薦に関する覚書の改定について
彦坂庶務担当理事より、資料11-1、2にもとづいて、学会賞の評議員推薦に関して、評議員会にて推薦を受けること、大賞の選考対象者の審査方法などについて提案があった。審議の末、継続審議となった。
(10)社団法人日本植物学会賞応募要項改定について
彦坂庶務担当理事より、資料11-1、2にもとづいて、応募要項の改定について提
案があった。審議の末、継続審議となった。
(11) 広報委員会に関する内規の改定について
彦坂庶務担当理事より、資料12にもとづいて、生物科学ニュース編集ワーキン
ググループとコンテンツ作成ワーキンググループの設立にともない内規の変更
の提案があった。審議の末、満場一致でこれを承認した。
(12) 男女共同参画委員会の新設について
長谷部専務理事より、資料13にもとづいて、男女共同参画委員会の新設につい
て若干の説明があったが、審議時間不足のため継続審議となった。
(13) 役員・職員旅費に関する規定について
東馬図書担当理事より、資料14にもとづいて、役員・職員旅費規定の制定につ
いて提案があり、審議の末、満場一致でこれを承認した。
(14) 評議員選挙について
長谷部専務理事より、資料1-6にもとづいて、平成22年度に行われる予定の評
議員選挙の日程案について、平成22年10月中旬投票用紙・返信用封筒の発送、
同11月19日投票締切、同11月20日開票の予定で行う旨が説明された。審議の
結果、満場一致でこれを承認した。
(15) 各種委員の選任
学会賞選考委員会委員候補者を選定した。評議員推薦理事がそれぞれ8名ずつ推
薦し、分野と地域を考慮した議論の末、以下の8名の最終候補者が選ばれた
:射場 厚、加藤雅啓、川井浩史、篠村知子、園池公毅、西谷和彦、西村いくこ、
峰雪芳宣(敬称略・五十音順)。
次期選挙管理委員について、長谷部専務理事より阿部光知、今泉温子、加藤美砂
子の各氏が推薦され、審議の結果、満場一致でこれを承認した。
(16) 理事会主催シンポジウムについて
第74回大会において広報委員会が企画している理事会主催シンポジウム「分子
でみる光合成生物の多様性・生態・環境」の開催と、非会員演者に対する旅費の
支出について審議し、満場一致でこれを承認した。
以上にて議事を終了し、18時30分に閉会した。
公益法人制度改革への植物学会の対応について
公益法人制度改革対応検討委員会
平成22年8月10日
会員の皆様
ご承知のように、植物学会は社団法人として公益活動を行ってまいりました。しかし、公益法人制度改革に関する法律が平成18年5月26日に成立し、現在、法人制度は大きく変わりつつあります。全ての公益法人は一昨年12月に特例民法法人に移行し、5年間の間に、すなわち平成25年11月30日までに、一般社団法人になるか、公益社団法人になるかを選択し、そのための移行の申請をしなくてはなりません。
昨年の評議員会においては、「植物学会は公益認定を申請すべく理事会においてその準備を進める。なお,最終的に公益社団法人を選択するか,一般社団法人を選択するかの判断は改めて評議員会・総会で議決するものとする。」ことが決議されました。これに基づき、法人制度改革対応検討委員会(西田治文、杉山宗隆、彦坂幸毅、園池公毅)が対応を検討してまいりましたが、その結果、公益法人認定に関し、技術的な問題点はクリアできる目処がつきました。つきましては、本年度の評議員会に、以下の骨格に基づいて公益法人認定を申請する方針を提案する予定でおります。会員の皆様方のご協力をお願いすると共に、法人制度改革に対する対応に関して、皆様のご意見をお聞かせ頂ければと思います。ご意見・ご質問を、園池(sonoike@waseda.jp)までお寄せいただければ幸いです。
1.制度設計
(1)会員の選挙による会長の選出、理事会の仕組み、代議員制度はそのままとし、会長=代表理事、会務担当理事=業務執行理事、評議員会=代議員会=社員総会とする(今までの総会と評議員会は統合)。ただし、法的には代表理事の選出は理事会の権限となるため、会員の会長選挙結果を参考に理事会で代表理事を選出するなど、現行の仕組みを法律に合わせる必要がある。
(2)定例の代議員会は1回(会計年度終了後)とし、そのほかにもう1回開催する。代議員会は、委任状による委任が可能である。
(3)理事会は年2回開催する。法的に、委任状による委任は不可能だが、テレビ会議での開催は許されている。
(4)新しい制度での監事は理事会の出席義務を負うため1名に減員する。また、会計の専門家を監事または会計監査人に入れることが求められているため、会計監査人を外部の公認会計士に依頼する。
(5)会員の種別および代議員制度は現在のものを維持する。国内居住会員(正会員)から選ばれた代議員を法律上の法人の社員とし、総会における議決権などを持つこととする。国外居住会員は学術的な活動に関しては制限を受けないが、代議員の選挙権は持たない。賛助会員なども代議員の選挙権を持たない。
(6)法律上の支部は経理を本部と一体化することが必要となるため、各地区における独自の活動は基本的に任意団体として行なう。
(7)制度改革により事務作業量は増えることが予想されるが、対応不可能ではないと考えられる。
2.会計面
公益法人では公益目的事業費率が50%を超えている、遊休資産が規定を下回る、などいくつかの要件を満たす必要があります。このため以下のように措置することを考えています。
(1)JPR事業と大会事業(懇親会以外)を公益事業として据える。
(2)基本財産を公益目的保有財産とし、図書・電話加入権・保証金とともに遊休財産から除外する。
(3)植物学振興基金は公益目的保有財産とはしない。これにより、現在の学会賞のシステムはそのまま維持できる。もし、植物学振興基金を公益目的保有財産とする場合は、学会賞の対象者を学会員に限る条項を削除する。
(4)JPR刊行安定化基金は公益目的保有財産とはしない。これにより、刊行安定化基金を従来通り、補助金削減、ページ数超過などの突発的事情の際の保険として維持できる。
3.公益法人認定申請へ向けてのスケジュール
公益法人認定の申請書は(新新公益法人会計基準に準拠する予定の)2010年度の決算に基づいて申請書を作成する必要があるため、2010年内は作成書類のチェックを中心として作業を進める。決算が確定した段階で、具体的な検討に入り、2011年3月中に第一次案を作成する。ここまでを現メンバーの委員会で行なう。評議員・会員への意見聴取ののち、最終的な申請書類を2011年6月までにまとめ、2011年7月の理事会、2011年9月の評議員会・総会で承認を受けた後、申請書を提出する。
(社)日本植物学会 平成22年度第三回理事会議事録
日時:平成22年5月31日〜6月5日
場所:インターネット上における持ち回り会議
出席者:福田裕穂会長、長谷部光泰専務理事、園池公毅副専務理事、塚谷裕一理事(編集担当)、神谷勇治理事、河野重行理事、田中歩理事、寺島一郎理事、原慶明理事、三村徹郎理事、彦坂幸毅理事(庶務担当)、石田健一郎理事(会計担当)、東馬哲雄理事(図書担当)
審議事項
議案1.議長の選出
本理事会の議長は福田裕穂会長とすることが提案され、異議なく承認された。
議案2.議事録署名人の選出
本理事会の議事録署名人として田中歩理事・寺島一郎理事が提案され、異議なく承認された。
議案3.JPR論文賞の承認
長谷部専務理事より、JPR編集委員会が決定したJPR論文賞受賞論文が報告され、異議なく承認された。
議案4.平成23年度科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞(1.開発部門、2,研究部門、3.科学技術振興部門、4,技術部門、5.理解増進部門)および若手科学者賞の推薦について
以上の推薦について文科省から推薦依頼が来たが、推薦手続きについて取り決めがなかったため、会長から以下の案が提案され、異議なく承認された。
(1)学会員全員に科学技術賞(1.開発部門、2,研究部門、3.科学技術振興部門、4,技術部門、5.理解増進部門)の公募がある旨、メイル連絡し、公募する。審査は理事会学会推薦担当理事(寺島理事、神谷理事、田中理事)で行う。
(2)奨励賞受賞者は若手科学賞に推薦する旨を事務局から受賞者に伝える。受賞者が応募するかは本人が判断する。
以上にて議事を終了し、閉会した。
平成22年6月5日
=2010 年度JPR 論文賞=
2010年度のJPR 論文賞について謹んでご報告申し上げます。
JPR Best Paper Award は、JPR 論文賞選考規定に基づき、JPR 122 巻(2009)掲載の論文を対象として、編集委員並びに編集協力委員全員による投票と、投票結果を基にした編集委員会での合議により選考を進めました。その厳正なる審議の結果、次の2 論文をBest Paper Award 2010 受賞論文に決定しました。
[JPR BEST PAPER 賞]
Journal of Plant Research Vol. 122 (2009): 201-
Author(s): Michitaka Notaguchi, Yasufumi Daimon, Mitsutomo Abe and
Takashi Araki (野田口 理孝、大門 靖史、阿部 光知、荒木 崇の各氏)
Title: Adaptation of a seedling micro-grafting technique to the study of long-distance signaling in flowering of Arabidopsis thaliana.
Journal of Plant Research Vol. 122 (2009): 41-
Author(s): Kosei Sone, Alata Antonio Suzuki, Shin-Ichi
Miyazawa, Ko Noguchi and Ichiro Terashima (曽根 恒星、Alata Antonio Suzuki、宮澤真一、野口航、寺島 一郎の各氏)
Title: Maintenance mechanisms of the pipe model relationship and Leonardo da Vinci’s rule in the branching architecture of Acer rufinerve trees.
Notaguchi et al. (2009)は、シロイヌナズナの花成ホルモンの同定とその機能解析に、微小サイズでの接ぎ木技術を応用してみせた研究です。日本人研究者のもたらしたブレイクスリーにより、数年前、ついにフロリゲンの正体が明らかになったことは、記憶に新しいところです。そのフロリゲンが、mRNAとして長距離移動するのか、翻訳産物のタンパク質として移動するのかについては、誤った論文が一流誌にフライイング気味に掲載されるなど、この世界を覆いに賑わした論点でした。その決着に際し、シロイヌナズナのようなごく小型の植物の、しかも芽生えで接ぎ木法を確立したことは、大いなる貢献といえます。またこの手法は、今後、他の研究分野にとっても重要な貢献をなすものと期待されます。
またSone et al. (2009)は、ウリハダカエデを用いて、樹形に関する経験則の維持機構を解析したものです。日本は古くから園芸が盛んで、西洋に見られるような単純刈り込みとは違う、思い通りの「自然な」枝振りに仕立てあげる剪定技術が発達しています。その背景には、枝ごとの生産の資源分配に関するパイプモデルなどの基本的仕組みが働いていると考えられます。本研究は、そうした生理生態学的な立場から、樹冠内の生産と成長のバランスについて解析したもので、今後の発展も大いに期待されます。
一方、JPR Most-Cited Paper Award は、JPR 論文賞内規に基づき、2007 年刊行のJPR 120巻掲載のものより、ISI Web of Science のデータベースを参考にして、被引用回数を指標に選考を進めました.その結果、編集委員会で以下の総説を対象に決定いたしました.
[JPR Most cited paper 賞]
・JPR Most-cited paper賞 (26回引用)
Journal of Plant Research Vol. 120 (2007): 345-350
Author(s): Tomonobu Kusano, Koji Yamaguchi, Thomas Berberich and Yoshihiro Takahashi (草野 友延、山口 公志、Thomas Berberich、高橋 芳弘の各氏)
Title: Advances in polyamine research in 2007.
近年、植物の成長制御に関して、これまで見過ごされてきた分子種が次々と見直されてきています。ペプチドしかり、新規ホルモンしかり。本総説は、その中で、ポリアミンに焦点を当てたものです。その重要性は、ポリアミンの生合成経路の変異体が示す多くの表現型が示すとおりですが、逆にそのことは、遺伝学的解析が始まるまでは、ほとんど認識されてきませんでした。驚きを持って迎えられているそのポリアミン研究の最前線を見事にまとめた本総説は、非常に多くの回数、引用されており、JPRと日本の植物学を広く世界に示してくれました。
以上の3論文は、植物科学の一般誌として広く各分野をカバーするJPR にふさわしく、それぞれの研究分野を代表するものであると思います。今年の中部大会においてこの3本の表彰をいたしますので、どうぞ会員の皆様はご参集下さいますよう、お願いをいたします。
JPR 編集委員長
塚谷 裕一
(社)日本植物学会会員の皆様
先日来何度もお願いしてきましたパブコメ投稿や「植物を活かす」シンポジウ ムへの皆様の積極的な活動の結果、平成23年度科学技術関連予算の重点推進 事項を定める「アクションプラン」の修正案が公表され、グリーン・イノベー ションの中で、「バイオマス」「植物科学」をより重視する様に直されまし た。特に、修正案では、基礎的研究として植物科学が明示されている点は特筆 すべきではないかと思います。
グリーンイノベーションのパブコメのトップに「植物科学を利用した技術の 研究も位置づける必要がある」と記載されていますし、3番目には「食料増産 技術、農業技術の研究も位置づける必要がある」4番目に「森林・生物多様性 の保全、自然共生も位置づける必要がある」と書かれていることは、皆様から のパブコメが如何に多かったかと言うことと、それが、実際に施策に反映され たことを示しています。皆様の積極的な参加に心より敬意を表します。今後と も、一緒になって社会への発信を続けていくつもりでおりますので、ご支援をよろしくお願いいたします。
なお、パブコメの結果と修正された「アクションプラン」は以下のサイトで見 られます。
http://www8.cao.go.jp/cstp/budget/aptf/green5/index.html
(社)日本植物学会
会長 福田裕穂
第7回日本植物学会賞の各賞の受賞者が以下の通り決まりました。なお、授賞式と受賞講演は、日本植物学会第74 回大会(中部大学、平成22年9月9日〜11日)で行われる予定です。
<大賞>
田澤 仁(東京大学 名誉教授)
「シャジクモと同行60年」
<学術賞>
田坂昌生(奈良先端科学技術大学院大学 教授)
「植物の体づくりにおける堅固性と可塑性」
<奨励賞>
小竹敬久(埼玉大学 准教授)
「植物特有の糖ヌクレオチド代謝経路の解明」
宮沢 豊(東北大学 助教)
「根の水分屈性制御分子の同定とその水分屈性ならびに屈性間相互作用に対する機能の研究」
本瀬宏康(岡山大学 助教)
「植物の形態形成における細胞間相互作用と細胞極性制御の解析」
<若手奨励賞>
仲田崇志(慶應義塾大学 助教)
「単細胞性オオヒゲマワリ目(緑藻植物門緑藻綱)の多層的分類研究」
成川 礼(東京大学 助教)
「シアノバクテリアにおける新規シグナルセンサー、特に光センサーの網羅的探索とその機能 —構造解析」
濱田隆宏(奈良先端科学技術大学院大学 GCOE研究員)
「生化学を基盤とした微小管付随タンパク質群の同定と機能解析」
丸山真一朗(日本学術振興会 特別研究員)
「下等植物および原生生物におけるゲノム進化と葉緑体の起源」
<特別賞>
技術 中川 強(島根大学総合科学研究支援センター 教授)
「植物遺伝子研究におけるGatewayバイナリベクターシステムの構築と普及」
教育 ヒコビア植物観察会
「植物を友とし、師とし、みんなで重ねた半世紀にわたる野外観察会」
(社)日本植物学会 学会賞選考委員長
戸部 博
=第7回日本植物学会賞(2010年度)の選考結果報告=
日本植物学会は、大賞、学術賞、奨励賞、若手奨励賞、特別賞を制定し、植物学の研究業績と植物学への貢献に対して表彰を行っています。また、自薦や他薦、評議員推薦により、才能ある若手研究者を発掘し、積極的に授賞候補者を推薦することができる体制がとられています。本年度の日本植物学会賞選考委員会は、4月24日(土)東京大学にて選考委員会を開催し第7回日本植物学会賞受賞者を決定いたしました。本年度も例年同様多数の推薦、応募がありました。今後も数多くの方の推薦、応募を期待いたします。
<大賞>
評議員による推薦を受けた6名を対象として、研究業績、後進の育成、植物学会への貢献ならびに植物科学全般への貢献等を審議し、田澤 仁氏に、大賞を授与することを決定しました。
田澤 仁(東京大学 名誉教授)
「シャジクモと同行60年」
田澤 仁氏は、特にシャジクモを用いた研究により、以下のような多くの研究業績を挙げられました。1)細胞横断浸透を利用し、水移動の整流性、液胞膜の高い水透過性などを世界で初めて明らかにされたほか、アクアポリンの存在も明らかにされました。2)電位発生がMg-ATPに依存することを証明すると共に、電気生理学的に測定された電流がATP依存性のプロトン輸送量と一致することも明らかにされました。3)液胞内酸性化のカイネティクス、液胞膜の電気特性などを詳細に解析され、さらに、V-ATPaseとPPaseの生化学的な解析も行いました。4)細胞内浸透圧調節の機構、さらに膨圧調節における細胞内浸透圧調節の機構を解明するとともに、セカンドメッセンジャーとしてのカルシウムの役割を明らかにされました。5)細胞膜にある電位依存性のカルシウムチャンネルとカルシウムの結合によって活性化されるクロライドチャンネルの両方が活動電位の発生に関与していることを明らかにされました。6)カルシウム依存性のタンパク質リン酸化が原形質流動の停止に関与していることも明らかにされました。以上のような研究活動によって、1990年には第80回日本学士院賞を受賞され、1985年には米国植物生理学会(現植物生物学会)のCorresponding memberに、平成1989年にはドイツ植物学会の名誉会員に選ばれました。また、田澤氏は1981-1982年の間、日本植物学会学会誌の編集委員長をつとめて本学会の運営に貢献されると共に、植物膜談話会の設立、山田コンファレンス「Plant Water Relations and Growth under Stress」の主催などにより、日本における植物膜生理学の発展に大きな貢献をされました。このような長年にわたる植物学への貢献と、多岐にわたる研究業績に鑑み、田澤氏が日本植物学会賞の最高賞である大賞にふさわしいと判断いたしました。
(戸部 博委員 記)
<学術賞>
評議員により推薦を受けた5名を対象とし、研究業績のプライオリティー、独創性、国際的評価、ならびに植物科学の発展への貢献について検討した結果、田坂昌生氏に学術賞を授与することを決定しました。
田坂昌生(奈良先端科学技術大学院大学 教授)
「植物の体づくりにおける堅固性と可塑性」
田坂昌生氏は、植物の体づくりのメカニズムに関する独創的な研究を主に分子遺伝学的手法を用いて展開し、世界をリードする顕著な業績をあげています。初期には細胞性粘菌を使用していましたが、約20年前からはシロイヌナズナを主な研究材料とし、ゲノム情報と変異体を駆使してその体づくりの分子基盤を明らかにしてきました。植物体を構成するほとんどの器官は頂端分裂組織によって形成されます。田坂氏は、頂端分裂組織の形成や活性の調節と維持に働く遺伝子を同定するとともに、胚発生過程を調節するオーキシンの極性輸送の新規制御因子を明らかにしました。また、形づくりに強く影響する環境要因の中から重力に着目し、重力屈性の分子機構に関する多くの新規知見を見出しました。田坂氏の独創的な発想と明確な戦略・展望に基づく研究の進め方は、この領域における研究の世界的なモデルとなっており、その貢献は極めて大きいといえます。日本植物学会学術賞に正にふさわしい研究として高く評価されます。
(保尊隆享委員 記)
<奨励賞>
評議員推薦と自薦とを合わせて11名の選考対象者がおりました。審査は、応募者のそれぞれの申請書と別刷りを選考委員全員に配布し、応募者の評点(5段階)と研究に関するコメント(評価表)を書いてもらいました。選考委員会において、各委員が付けた評点から平均値を算出し、総合推薦順位表を作成し、各候補者の研究内容を中心に植物学会大会での発表など学会への貢献度を調査しながら議論しました。結果として、総合的評価の高かった小竹敬久、宮沢 豊、本瀬宏泰(五十音順)の3氏への奨励賞授与を決定しました。
小竹敬久(埼玉大学 准教授)
「植物特有の糖ヌクレオチド代謝経路の解明」
糖ヌクレオチドは、植物体の主要な構成成分である多糖の基質であり、その合成経路は植物にとって非常に重要です。しかし、糖ヌクレオチド合成に関わる酵素類の精製は難しく、理解が進んでいませんでした。小竹敬久氏は、生化学及び分子遺伝学的手法を巧みに組み合わせたレベルの高い研究を展開し、糖ヌクレオチドの新生経路とサルベージ経路に関する数々の新規知見を見出しました。特に、研究の過程で精製した3種の新規酵素、UDP-糖ピロホスホリラーゼ、L-フコキナーゼ/GDP-L-フコースピロホスホリラーゼ、並びにUDP-グルコース4-エピメラーゼは、広い基質特異性、多機能性、ユニークな細胞内局在性など、従来の常識を覆す諸性質を示すことを明らかにしました。小竹氏の研究は、糖ヌクレオチドの合成経路について新たな視点と展開をもたらすものとして国際的に高く評価されています。今後、糖ヌクレオチド代謝過程の全容の理解や植物進化との関係の解明へと研究が発展することが期待されます。
(保尊隆享委員 記)
宮沢 豊(東北大学 助教)
「根の水分屈性制御分子の同定とその水分屈性ならびに屈性間相互作用に対する機能の研究」
陸上植物にとって水の獲得は極めて重要な過程であり、植物はそのため、水分勾配を認識して水分が多い方向へ根を成長させる水分屈性のしくみを発達させてきました。しかし、重力屈性の存在のため、水分屈性のメカニズムは明らかになっていませんでした。宮沢豊氏は、重力屈性の干渉を取り除く実験系の確立、レーザー照射及び重イオンマイクロビーム照射法の導入、並びに水分屈性に関わる突然変異体の単離と解析を通して、この課題に関する革新的な研究を進めてきました。その結果、水分屈性の機構には、カルシウムイオン動態制御の重要性、根冠コルメラ細胞の関与、成長部域におけるオーキシン応答の必要性など、重力屈性と共通する点があるが、水分屈性にはオーキシン極性輸送が必須でない等、特徴的な差異も見られること、また水分屈性に特異的に関与する遺伝子群が存在することなど多くの新事実を明らかにしました。このような宮澤氏の研究は国際的に高く評価されており、屈性と形態形成の制御機構に関するさらなる発展が期待されます。
(保尊隆享委員 記)
本瀬宏康(岡山大学 助教)
「植物の形態形成における細胞間相互作用と細胞極性制御の解析」
本瀬宏康氏は、細胞の成長・分化や細胞間相互作用による植物の形態形成機構の解明に独自の観点から取り組み、ヒャクニチソウ木部分化の培養系を改良して、局所的な細胞間相互作用やその作用因子活性を評価するバイオアッセイ系を構築し、この系を活用してザイロジェンと名付けたアラビノガラクタンタンパク質を同定して詳細な解析を行い、分化しつつある細胞から未分化細胞に向けて本因子が分泌されることで導管細胞の連続的な分化が導かれることを発見した。この発見は、最近相次いで報告されている植物の発生・分化を制御するペプチド性シグナル分子の発見の端緒となったもので、世界的にも極めて高く評価されている。さらに、シロイヌナズナの表皮細胞に異所的に突起が形成される変異体を解析して、細胞伸長制御に関わるNEKキナーゼファミリー因子を同定し、本因子が他の因子と協調的に働くことで微小管の制御を介して細胞の伸長方向を調節することを明らかにしており、細胞の伸長方向制御に新たな視点を示したことは高く評価される。現在は、このような研究をさらに発展させ、GPI型アンカータンパク質やRNAサイレンシングを介した形態形成機構の解明等にも積極的に取り組んでおり、今後の発展が大いに期待される。
(鎌田 博委員 記)
<若手奨励賞>
若手奨励賞には評議員推薦と自薦を合わせて7名の選考対象者がおりました。候補者の評価は奨励賞と同様の方法で行いました。この賞は、大学院生やポスドクなど、意欲にあふれた若手の研究者の表彰が目的です。最近の大会で積極的に発表していることも重要な条件になります。その結果、仲田崇志、成川 礼、濱田隆宏、丸山真一朗(五十音順)の4氏への若手奨励賞授与を決定しました。
仲田崇志(慶應義塾大学 助教)
「単細胞性オオヒゲマワリ目(緑藻植物門緑藻綱)の多層的分類研究」
仲田崇志氏の主な業績は、オオヒゲマワリ目の分割から種分類に至る分類体系を全面的に見直すため、分類群の階級に応じた段階的な方法論を提示し、実際に分類体系を再構築してみせたことにある。オオヒゲマワリ目の分類は、各階層で混乱しており、総合的な再評価が不可欠であった。本研究では、分類階級や分類群ごとに異なる問題点にそれぞれ適切な手法で取り組み、幅広い成果を挙げることができた。このような多層的な研究は、オオヒゲマワリ目の分類学的研究の停滞を打ち破るものとして大きな意味をもつだろう。申請者は、形態にもとづく分類体系を留保しつつも、分子系統を用いてオオヒゲマワリ目が約20の系統群に整理できることを示している。微細藻類の「種」は、伝統的に、形態で識別できる個体群(形態種)として分類されてきたが、形態種の変異の範囲、系統的な近縁性、生殖隔離の有無などは十分検証されていない。申請者は、Hafniomonas属、ヤリミドリ属、コナミドリムシ属において、複数株が得られた形態種で単系統性を確認し、既存の形態種が交雑の可否や分子系統の種概念とお互いに矛盾しないことを示している。属階級の分類が滞るのは、光顕観察に基づく形態形質が不足しているせいでもある。申請者は、ヤリミドリ属の再分類に、電顕による微細構造観察で識別形質を増やし、より自然な属階級の分類が可能であることを示した。
(河野重行委員 記)
成川 礼(東京大学 助教)
「シアノバクテリアにおける新規シグナルセンサー、特に光センサーの網羅的探索とその機能 —構造解析」
成川 礼氏は、まず、シアノバクテリアに特異的なドメインを同定するなどのバイオインフォマティクス分野の研究を行いました。最近は、シアノバクテリアのPASドメインや、色素結合GAFドメインの機能の解析を、生理学、生化学、生物物理学、構造生物学の領域にまで深く踏み込んで総合的に行っています。成川氏の研究の特徴は、バイオインフォマティクスを駆使したドメインの分類や、進化過程推定によって、研究対象を効率的に絞り込むことにあります。このため、研究は、決して漫然たる網羅的解析にとどまることがありません。PASドメインからは、重要なフラビン結合青色光センサー、レドックスセンサーなどがいくつも見いだされましたし、GAFドメインの解析からは、可逆的光変換を示す光受容体が複数同定されました。環境変動が激しい淡水産/陸生シアノバクテリアの多様な環境応答を、多様な光受容体が制御していることが、浮き彫りにされつつあります。高等植物の光生物学との比較の面でも興味深い知見です。一方で、これらのタンパクの色素受容部位の結晶化が成功し、構造生物学的な解析も進んでいます。このように、成川氏は、生態学から構造生物までを広く見据えています。業績にもそれが十分に現れており、次代を担う若手研究者であると評価できます。
(寺島一郎委員 記)
濱田隆宏(奈良先端科学技術大学院大学 GCOE研究員)
「生化学を基盤とした微小管付随タンパク質群の同定と機能解析」
濱田隆宏氏は生化学的手法を主とした顕花植物の微小管付随タンパク質群に関する研究を行ってきました。タバコ培養細胞BY-2からは3種類の微小管付随タンパク質(MAP200、 NtDRP3、 THO2)の単離に成功し、それぞれのタンパク質の機能解析を行いました。さらにシロイヌナズナ培養細胞からも微小管付随タンパク質群の精製に成功し、質量分析計を用いて微小管付随タンパク質群画分の網羅的同定を行いました。この研究成果は今後の微小管研究の重要な礎になると期待され、濱田氏自身もこの成果から新規の植物特有の微小管付随タンパク質の同定に成功しております。また近年、イメージング技術を用いてオルガネラやRNAの輸送における微小管の役割に関する研究を行い、新しい微小管の役割を示しております。現在、微小管機能解析のための新たな実験系の開発に取り組んでおり、今後の研究の発展が大いに期待されることから、若手奨励賞授賞者として相応しいと高い評価を受けました。
(戸部 博委員 記)
丸山真一朗 (日本学術振興会 特別研究員)
「下等植物および原生生物におけるゲノム進化と葉緑体の起源」
葉緑体をもった一次共生植物がいつ頃、どのように出現したかということは、今もなお未解明の謎です。様々な生物のゲノム情報が急速に蓄積している現在、この問題についても、新たな視点からの解析やアプローチが求められています。丸山真一朗氏は、自作したスパコン用のゲノム解析プログラムを駆使して、これまで一次共生とは無縁と考えられていた原生生物のゲノムの中に、シアノバクテリア由来の遺伝子群が広く分布していることを明らかにしました。真核生物には8つの系統群があると考えられていますが、丸山氏の研究結果は、このうち、動物や菌類に進化したオピストコントを除く他の系統群の中で、シアノバクテリア由来の「植物遺伝子」が、かつて、広くやり取りされていたことを示しています。これらの成果は、真核生物や葉緑体の初期進化がどのようなものであったかを解明する上で、新たな視点を提供するものであり、今後の研究の発展が大いに期待されます。
(小保方潤一委員 記)
<特別賞>
特別賞は植物科学や植物学会の発展に貢献のあった個人や団体を、分野や年齢を問わず選考して顕彰し、さまざまな面から植物科学の活性化をはかろうと創設されたものです。今年度は「技術」「教育」「その他」の分野で、評議員から9件の個人や団体の推薦がありました。各候補について2段階評価を行い、その集計結果をもとに選考委員会では評点の最も高かった候補者を中心に選考を行いました。その結果、中川 強氏とヒコビア植物観察会を授賞者と決定しました。
技術 中川 強(島根大学総合科学研究支援センター 教授)
「植物遺伝子研究におけるGatewayバイナリベクターシステムの構築と普及」
中川 強氏は、今や植物遺伝子研究において必要不可欠な基礎技術の一つとなった遺伝子導入の際に使用するベクターを、簡便かつ迅速に構築可能な172種類からなるGatewayバイナリーベクターシリーズとして開発されました。すなわち、様々なレポーター・タグ融合が可能な初期型のGatewayバイナリーベクター40種類を皮切りに、コピー数と選抜マーカーを増やした改良型を86種類、さらに別の特異配列も利用することで、プロモータースワッピングが可能になったR4型を32種類、プロモーター:レポーターを極めて容易に構築可能なR4L1型を14種類、合計172種類のベクターを開発されました。このシリーズが利用できるようになったことにより、一度目的の遺伝子を準備すれば、制限酵素とリガーゼを使うことなく、組換え酵素のみで目的のバイナリーベクターを容易に構築できるようになりました。それらは基礎研究での使用を条件として、国内約230、国外約400の研究室に無償で提供され広く利用されています。関連する論文の被引用数は、平成22年3月の時点で100編を超えており、今後ますます増加していくと思われます。中川氏は、これまでのベクター作成にとどまらず、さらに多機能なベクターの開発にも意欲を示されています。このような中川氏の植物科学への発展に対する大いなる貢献は、植物学会の特別賞として相応しいものと高く評価されました。
(戸部 博委員 記)
教育 ヒコビア植物観察会
「植物を友とし、師とし、みんなで重ねた半世紀にわたる野外観察会」
ヒコビア植物観察会は、植物学の啓蒙を目的として1956(昭和31)年10月に広島植物学研究会と広島県内の一般植物愛好家との共同事業「広島植物採集会」、まさに「生涯学習」(1965年にはじめて提唱)の実践活動として始まりました。1977年6月以降の33年間はほぼ月1回、定期的に野外観察会を行い、2010年半ばまでに通算開催回数500回を数えることになりました。歴代世話役は日本植物学会会員でもある広島大学教員・学生・OBが中心となり、更に藻類、コケ植物、維管束植物、菌類など多彩な植物分類学分野や植物社会学分野の専門家も参加してきました。この活動を通して、植物学はじめ薬学、天然物化学に関わる教育・研究機関関係者だけでなく、現在広島県内を活動拠点とする植物野外観察会の指導者的立場で活躍しているアマチュア植物愛好家が多数育成されました。また、広島県下の植物相に関する情報を集大成した「広島県植物誌」や啓蒙を目的とした「宮島の植物と自然」などに代表される出版物ならびに広島大学デジタル自然史博物館のコンテンツを含む多くの基礎資料をもたらしてきました。以上のように、半世紀以上にわたって植物研究の人材の育成ならびに地方における植物学の啓蒙活動に顕著な貢献をなしてきたことは、植物学会の特別賞としてふさわしいものと高く評価されました。
(戸部 博委員 記)
2010年度 日本植物学会賞選考委員会
戸部 博(委員長)、井上康則、大隅良典、
小保方潤一、鎌田 博、河野重行、寺島一郎、
保尊隆享、町田千代子、本村泰三
当学会の黒岩常祥会員(立教大学特任教授、東京大学名誉教授)が内閣府主催「みどりの式典」において「みどりの学術賞」(http://www.cao.go.jp/midorisho/gakujutsusho/index.html)を受賞され、4月23日、天皇、皇后両陛下ご臨席のもと、表彰式が行われました。「みどりの学術賞」は、国内において植物、森林、緑地、造園、自然保護等に係る研究、技術の開発その他「みどり」に関する学術上の顕著な功績のあった個人に内閣総理大臣が授与するものです。
本学術賞は本年で第三回をむかえ、第一回は杉浦昌弘会員(名古屋大学名誉教授)、中静透会員(東北大学大学院生命科学研究科教授)、第二回は淺田浩二会員(京都大学名誉教授)、第三回は和田正三会員(前会長:九州大学大学院理学研究院特任教授、東京都立大学名誉教授)、矢原徹一会員(九州大学大学院理学研究院教授)が受賞されています。
(社)日本植物学会 事務局
日時:平成22年2月27日(土) 午後1時〜午後1時40分
場所:東京大学理学部2号館223号室
出席者:代議員11名,委任状出席代議員33名
(代議員62名中44名出席)
総会に先立ち,会長から挨拶があった.
議長として福田裕穂会長が選出された.
代議員総数62名に対して,出席者11名,委任状出席者33名である旨が彦坂幸毅庶務担当理事より報告され,定足数に達しているので本総会は成立することが議長より宣言された.
議事録署名人として寺島一郎氏(東京大),園池公毅氏(早稲田大)が承認された.
・報告事項
(1) 平成22年度第1回理事会について
長谷部光泰専務理事より平成22年度第1回理事会が平成22年1月30日に開催された旨報告された.
(2)監査について
桜井英博監事より平成21年度の監査を平成22年1月30日に行った旨報告された.庶務及び会計担当理事よりの聴取,関係書類の確認等を行い,事業報告書,収支決算報告書のいずれについても,記載に相違ないことを確認した旨報告された.
・審議事項
(1)第一号議案:平成21年度事業報告書承認の件
彦坂庶務担当理事より平成21年度事業報告案(学会ホームページにて公告)について説明された.審議の結果,満場一致でこれを承認した.
(2)第二号議案:平成21年度収支決算報告書承認の件
石田健一郎会計担当理事より平成21年度収支決算報告案(学会ホームページにて公告)について説明された.審議の結果,満場一致でこれを承認した.
以上にて議事を終了し,午後1時40分に閉会した.
日本植物学会会員各位
本学会会員で元会長の黒岩常祥先生(立教大学大学院理学研究科特任教授・ 極限生命情報研究センター長、東京大学名誉教授)が、日本学士院、平成 22年3月12日開催の第1037回総会において、日本学士院賞を受賞されることに決定しました。 誠におめでとうございます。日本学士院賞は、「学術上特にすぐれた論文、著書その他の研究業績に対して授賞を行っています」とされていますので、 先生のこれまでの植物科学を中心とした科学全般の発展に向けた活動が評価されたものと考えられます。ますますのご活躍を祈念するとともに、今後とも本学会へのご支援、ご鞭撻をお願いいたしたいと思っています。
(社)日本植物学会 会長 福田裕穂
Tel03-3814-5675
Fax03-3814-5352
E-mail bsj@bsj.or.jp
詳しくは以下のリンクをご覧下さい。
http://www.shimonaka.or.jp/pdf/entry_form.pdf