大会終了のご挨拶
公益社団法人日本植物学会第82回大会は平成30年9月14日から16日までの3日間、広島市の平和記念公園内にある広島国際会議場を会場として開催されました。多くの方々にご参加頂き、盛況のうちに終了できました。
本年7月初めの西日本豪雨、9月4日に近畿地方を襲った台風21号、さらには9月6日に発生した北海道胆振東部地震と大会前に度重なる大きな自然災害に見舞われました。このような状況で皆様が広島に来てくださるのか心配しておりました。しかし、大会初日から大勢の方々が大会受付に来られ、最終的には846名の参加者を迎えることができました。その他に高校生ポスター発表には139名、公開講演会には159名の参加者がありました。これらの参加者を合わせると、1144名となり、大会実行委員会で期待していた以上の大会規模となりました。
広島での82回大会の開催を打診された当初は、東広島市にある広島大学のメインキャンパスで開催することも検討しました。しかし、キャンパスはJR西条駅からバスで20分ほどかかり、バスの便も十分ではないこと、キャンパスや西条駅周辺にホテルが少ないこと、広島市内で宿泊した場合、広島駅から西条駅まで40分ほど要し往復の交通費だけでも1日当たり2000円くらいかかることなどを考慮し、参加者の利便性を優先させて広島市内で開催することにしました。会場となった広島国際会議場は広島市内の中心である平和記念公園内にあり、周囲には原爆ドームや、広島城、縮景園などの観光地、多くのホテルや飲食店が集中してあり、発表会場や夜の懇親の場が徒歩圏内に揃っていたのは参加してくださった皆さんには大変好評だったようです。しかし、会場費が高額となったために会計上は非常に厳しい運営となり、学会の役員の皆様にはご迷惑をおかけしてしまいました。
本大会の発表演題数は、一般口頭発表212題、一般ポスター発表243題、受賞講演8題、理事会主催を含むシンポジウム105題、計568題でした。その他に、高校生ポスター発表で31題、公開講演会で4題の発表がありました。また、男女共同参画委員会主催のランチョンセミナーも開催されました。公開講演会は大会終了の翌日に宮島の宮島学園(宮島小中学校)の体育館で開催されました。会場の設営には宮島学園のPTAや先生方に大変お世話になりました。講演では宮島の植物・生態系の他、森林植生と鹿との関係、歴史資料からみる自然、土砂災害と砂防など、宮島に関する4つの話題が提供されました。159名の参加者のほとんどは一般の方々で熱心に講演を聞いてくださいました。公開講演会終了後には、植物観察コースと災害復興事業(紅葉谷川庭園砂防)見学コースに分かれてエクスカーションが実施され、後援会出席者の多くが参加されました。
本大会ではポスター会場と1つの口頭発表会場を除いて、受付と発表会場が一つのフロアに集中していましたので、参加者にとっては移動が少なく便利だったと思われます。懇親会は広島国際会議場から平和公園を歩いて10分ほどのところにあるホテルで開催しました。約400名の参加者があり、広島の地酒や広島名物お好み焼きなどをつまみながら大変盛会でした。
このたびの大会の開催にあたっては、32の企業・団体から協賛を頂きました。また、広島大学と公益財団法人広島コンベンションビューローからは多額の助成金を頂いております。その他多くの個人の方々から寄付を頂きました。本大会開催にご支援とご協力を頂いた皆様に、厚くお礼申し上げます。
本大会では広島大学の植物関係のほぼすべての教員(多くの非会員を含む)、県立広島大学や修道大学の教員、多くのボランティアの方々の協力を得て運営されました。これらの方々に感謝します。また、大会を盛り上げてくださった参加者の皆様に心よりお礼申し上げます。
公益社団法人日本植物学会第82回大会
大会長 山口 富美夫