ご挨拶
日本植物学会第82回大会は、平成30年9月14日(金)から16日(日)までの3日間、広島市の広島国際会議場を会場として開催されることとなりました。本大会は、例年通り一般口頭発表・ポスター発表の他、シンポジウム、受賞講演、ランチョンセミナー、高校生ポスター発表等を予定しています。また研究発表プログラム終了後の9月17日(祝)には公開シンポジウム「共生を超えて―「神の島」宮島の自然と歴史―」を企画しています。宮島の植物の他、それにかかわる島の生活、文化、歴史などに関するシンポジウムになります。シンポジウム終了後には宮島島内でのエクスカーションも予定しています。
近年、学問の細分化、最先端研究分野の発展等にともない、学生や研究者も細分化された学会で研究発表をすることが多くなっていることと思います。このような状況であっても、日本植物学会は分子から細胞、個体、個体群レベルまで植物に関わるすべての学問分野を統括する学会となっています。第82回大会は、公開シンポジウムを除いて一つの建物内ですべての研究発表が行われますから、自分の研究分野から離れた話題を容易に聞くことができます。自分の研究のヒントや、新たな共同研究に発展するきっかけが得られるかもしれません。ポストを探している若手研究者にとっても、自分をアピールできる良い機会です。
広島大学は、1995年に広島市内から東広島キャンパスへの統合移転を完了し、1998年には、日本植物学会第62回大会を東広島キャンパスで開催しています。第82回大会も東広島キャンパスでの開催を考えましたが、参加者の利便性を考え、広島市内の平和記念公園内にある広島国際会議場を会場としました。東広島キャンパス周辺にはホテルが少なく、最寄りの駅からキャンパスまでの交通機関も十分ではない上、広島市内に宿泊すると、東広島キャンパスまで1時間以上かかります。それに対し、広島国際会議場はJR広島駅から市内電車と徒歩で20分ほどの距離にあり、周辺の徒歩圏内にもたくさんのホテル、飲食店があります。1日を有効に研究の情報交換、交流に使えることでしょう。大会終了翌日の17日は祝日(敬老の日)です。広島市内から足を延ばして、世界遺産宮島を散策してはいかがでしょうか。どうぞ、皆様広島にお越しください。
日本植物学会第82回大会 大会会長
広島大学大学院理学研究科生物科学専攻 教授
山口 富美夫