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JPR和文要旨バックナンバー

ホーム > Journal of Plant Research > JPR和文要旨バックナンバー > 2022年9月号(Vol.135 No.5)

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2022年9月号(Vol.135 No.5)

Ecology/Ecophysiology/Environmental Biology

Impatiens balfouriiI. glanduliferaの侵略性における天敵解放と交雑の役割

Najberek K, Solarz W, Gąsienica-Staszeczek M, Olejniczak P (2022)

Role of enemy release and hybridization in the invasiveness of Impatiens balfourii and I. glandulifera. J Plant Res 135:637-646

I. balfouriiI. glanduliferaを用いて、侵略性に対する天敵解放と交雑の効果を調べた。侵略的でないI. balfouriiは侵略的なI. glanduliferaより強い天敵圧を経験していたが、天敵圧と侵略性の関係は明瞭ではなかった。また、両者の交雑の証拠は得られず、交雑による侵略性の増加という仮説は支持されなかった。(pp. 637-646)

稚樹の生産力の標高による変化は同属2種の分布に関係している

Suzuki R, Takahashi K (2022)

Elevational changes in productivity of saplings relate to distribution of two congeneric tree species. J Plant Res 135:647-658

標高傾度にそって植生は変化する。中部山岳の亜高山帯では、シラビソよりも耐陰性の高いオオシラビソが高い標高で優占し、シラビソは低い標高で優占している。この研究では、これらモミ属2種の分布の標高変化は稚樹の剰余生産力の変化と対応していることを明らかにした。(pp. 647-658)

Morphology/Anatomy/Structural Biology

ノボタン科における葯隔の変形および雄蕊の多様性の起源

Basso-Alves JP, Goldenberg R, Teixeira SP (2022)

Connective modifications and origin of stamen diversity in Melastomataceae. J Plant Res 135:659-680

ノボタン科の雄蕊には、種によって単環状と複数環状配置の両方があり、その形態も伸長した葯隔および附属体の点で異なっている。本研究では、ノボタン科6種の雄蕊の形成過程を詳細に観察することで、この雄蕊における配置と形態の多様性がどのように生じているかを明らかにした。(pp. 659-680)

Physiology/Biochemistry/Molecular and Cellular Biology

光化学系IP700酸化能はキュウリの低温ストレス耐性を反映する

Takeuchi K, Che Y, Nakano T, Miyake C, Ifuku K (2022)

The ability of P700 oxidation in photosystem I reflects chilling stress tolerance in cucumber. J Plant Res 135:681-692

キュウリ10品種の低温ストレス耐性を比較した。低温ストレス後に、光化学系Iの反応中心クロロフィルの酸化型 (P700+) を蓄積できる品種は、低温による生育阻害を受けにくいことを明らかにした。従って、P700酸化能解析は低温耐性キュウリの選抜に有効であると考えられた。(pp. 681-692)

微細流路チップにトラップしたタバコ培養細胞BY-2を用いた原形質連絡透過性の解析

Kurotani K, Kawakatsu Y, Kikkawa M, Tabata R, Kurihara D, Honda H, Shimizu K, Notaguchi M (2022)

Analysis of plasmodesmata permeability using cultured tobacco BY-2 cells entrapped in microfluidic chips. J Plant Res 135:693-701

植物は原形質連絡によって隣接する細胞間の細胞質をつなぎ、栄養物質や情報伝達因子を輸送している。本研究では、線状に連結増殖するタバコBY-2細胞と、マイクロ流体デバイスを用いて、これまで困難であった原形質連絡による物質の動きのモニターを実現するシステムを構築した。(pp. 693-701)

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