学部学生学会参加ガイド

日本植物学会第71回大会へようこそ!

このページを見ている学部学生の皆さんは、植物科学に興味をお持ちだろうと思います。今大会は学部学生の大会参加費は無料ということで、最先端の研究に触れるまたとない機会です。とはいえ、知り合いもいないのにいきなり学会大会(以下、「学会」と略します)に参加するには不安もあるでしょう。

そこで、初めて学会に参加する学部学生の皆さんに安心して楽しんでいただけるよう、学会参加ガイドを作成しました。これを参考にして、野田大会を大いに楽しんでください。

会場に行くまで

1.「学会」ってどんなもの?

学会というと年配の先生方が専門的な議論を闘わせるところというイメージがあるかもしれません。でも、実のところ、学会には若者から年配の人まで、幅広い年齢層の人がいますし、スーツからカジュアルまで服装のバリエーションも様々です。皆さんも普段着のままで、気軽に参加してください。

2.日程・場所・行き方の確認

ホームページのトップページを見て、自分の家から会場までの交通手段を確認しておきましょう。開始時間の決まっているプログラムもあるので、少しぐらいは時間の余裕をみておく方が良いです。学会会場に早めについても、休憩室でお茶を飲んだり、ポスター会場を見学したりできます。

3.プログラムの確認

<面白そうな発表を探す>
口頭発表時間割ポスター発表一覧をみて、どんな発表が行われるのか見ておけばよいでしょう。もし、面白そうなのが見つかったら、何日の何時にどの会場であるか確かめておきましょう。印刷したプログラムに蛍光マーカーで印をつけておくのも良いアイデアです。なお、PDFの内容は会場で貰えるプログラム冊子と同じなので、全部を印刷する必要はありません。

会場で

1.受付

<受付を探す>
会場に着いたら受付を探しましょう。看板もあるし、人の流れも受付方向に向かっているので、すぐに分かるはずです。

<学生証を見せて受付>
受付では学生証を見せて、名札とプログラムを貰いましょう。会場内ではいつも名札をつけていてください。

<クロークの利用>
大きい荷物を持っていると、発表会場間の移動が大変です。クロークに預けておきましょう。

2.発表会場へ

<行き先を決める>
PDFのプログラム一覧や、受付でもらったプログラムを見て、面白そうな発表をやっている会場の場所を探しましょう。会場ごとに発表テーマはだいたい決まっています。興味のある分野があるのなら、その会場にずーっといればいいし、あるテーマについてまとまった話しを聞きたければ、シンポジウムに参加するのもいいですね。発表会場への行き方は、階段や壁のあちこちに矢印で掲示してあります。

<席に着く>
発表会場についたら会場入り口(大抵は教室の後ろのドア)から中に入り、空いている席に座ります。会場によっては席が空いているのに、後ろの壁際にズラリと人が立っているところもありますが、空いている席があったら遠慮せずに座って下さい。後ろの方からは見えにくいことがあるので、オペラグラスなんかも便利です。

<発表中に入るには>
講演が始まると、スライド映写のために、会場は暗くなります。暗い会場に入るには気がひけると思いますが、静かにそーっとドアを開けて中に入り、空いている場所を探しましょう。立ち見が大勢いるときには、他の人の邪魔にならない場所に立って、話しを聞きましょう。一つの講演が終わると、人の移動が始まって、たいていは席が空きます。

<発表を聞くのに疲れたら>
発表会場では学会独特の緊張感のもとで発表が行われます。一生懸命聞いていると、だんだんと疲れてきます。そんなときは、休憩室やポスター会場に行ってみましょう

3.休憩室・展示会場

<休憩室>
会場では3カ所に休憩室が設けられています。飲み物とお菓子が用意されていますので、ご自由にどうぞ。疲れた頭を癒すには、甘いものは欠かせませんね。

展示会場
いろんな科学機器や本の展示があります。面白そうな機械があったら、説明を聞いてみましょう。展示係の人が詳しく説明してくれます。また、植物学関係の専門書が沢山並べられています。普通の本屋には置いていない本もありますし、ここで買う方が安い場合もあります。

4.ポスター会場

<面白そうなポスターに目星をつける>
ポスター会場では、ポスターをつかって様々な研究が発表されています。きれいなポスターを使って、どんな発表がされているかを眺めるだけでも楽しいですよ。ポスター討論は9日(3日目・日曜日)の午前中に行われるので、その時間までに詳しく話しを聞きたいポスターにめぼしをつけておくとよいでしょう。

<人だかりがあったら近づいてみよう>
ポスター討論以外の時間でも、休み時間やミキサーの時間に、ポスターの前には人だかりができている場合があります。そんなときは、近づいて、どんな研究なのか覗いてみましょう。いろんな人とお話しができるチャンスです。

5.昼食

運河駅周辺昼食マップを参考にして下さい。カナル会館が便利ですし、お弁当の販売もあります。

6.ミキサー

<飲み物片手にポスター見学>
学会初日の18:30-19:30は、受付ロビーでミキサー(簡単な懇親会)が開催されますので、ぜひ参加してください。無料の飲み物とおつまみが用意されています。今回のミキサーでは、ポスター展示会場に入ることもできます。ポスターの前に人だかりがあったら、うしろに近づいて、話しを聞いてみましょう。ひとしきり話しが終わったら、説明していた人に「お話をうかがってもいいですか?」と尋ねてみるといいでしょう。時間の許す限り、説明してくれると思いますよ。飲み物片手だと、研究の苦労話なども聞けるかも知れませんね。

<馳澤先生と佐野先生に話しかけてみよう>
ミキサーは簡単な懇親会なのですが、知らない人に話しかけるには、勇気がいりますよね。そんなときは、司会の馳澤(ハセザワ)先生と世話役の佐野先生に話しかけてみましょう。馳澤先生は、ミキサーが始まるときに挨拶をされる優しそうな先生です。佐野先生は、飲み物等を配ってくださるスポーツマンのお兄さんです。自分が学部生で参加していると話しかければ、きっといろいろとお話を聞かせてくれるでしょう。あなたが興味をもっている分野の研究者を紹介してくれるかもしれません。

7.懇親会

学会2日目の18:30〜20:30は、カナル会館で懇親会が開かれます。懇親会にはいろんな研究をしている人が300人ほど出席します。会場で面白い発表をしていた人、本などで名前を知っている先生、大学院で進学先に考えている研究室の人などと話す、とても良い機会です。当日参加だと多少値が張るかも知れませんが、ぜひ参加して、いろんな人とお話ししてみましょう。

8.ポスター討論

<面白そうな発表に気軽に質問!>
学会3日目の午前中は、ポスター討論が行われます。ポスター発表の良いところは、なんと言っても、自分が面白いとおもった発表について、気軽に質問んできる点にあります。口頭発表とは違ってほぼマンツーマンで説明してくれますから、分からないことは恥ずかしがらずに、何でも聞いてみましょう。専門的な質問で無くても全然構いません。「この研究はどういう点が面白いんですか?」という簡単な質問をするだけで、その研究の魅力や面白い点を、分かりやすく説明してくれることでしょう。

<偶数・奇数の討論時間に注意>
今回のポスター討論では、奇数番号と偶数番号で1時間ずつ、発表者がポスターの前で説明をしてくれます。討論時間は短いので、目星をつけておいたポスターの討論時間は逃さないようにしましょう。

9.公開講演会

第71会大会では、公開講演会が3つ企画されています。9日の午前中には、「『植物の世界に魅せられて』〜若い人たちのための植物学入門〜」という若者向けの講演会もあります。公開講演会は専門家で無くても理解できる内容になっていますから、ぜひ参加して、植物科学研究の面白さを知ってください。

10.会場で困ったときは

学会会場でもし何か困ったことがあったら、講義棟2階の「大会本部」(K208号室)に行って下さい。「学部学生で参加しているものです」と告げれば、何かと相談にのって貰えます。

学会の後で

植物学会第71会大会を楽しんでいただけたでしょうか?
植物学会大会準備委員会では、今後の大会でも、学部学生の皆さんに植物科学の魅力を知っていただく企画を続けたいと考えています。今回の大会に参加された学部学生の皆さんは、初めて学会に参加した感想や意見を、ぜひ、下のメールアドレスまで送って下さい。携帯やフリーメールで構いませんし、匿名でも構いません。皆さんからのご意見をお待ちしています。

  メールの件名: 学部学生からの意見
  宛先:大会準備委員会 e-mail noda2007@ib.k.u-tokyo.ac.jp
大会ロゴ

トネハナヤスリ(Ophioglossum namegatae M.Nishida & Kurita)と利根川高瀬舟

茨城県取手市の利根川河川敷で初めて見出されたシダ植物ハナヤスリ科の一種。利根川流域と大阪府淀川の氾濫原にのみ生育が知られる絶滅危惧種である。利根川下流域ではきわめて稀な植物だが、中流の渡良瀬遊水地ではヨシ原に大群落を形成する。1本の柄から分枝する胞子葉と栄養葉から成る地上部は、4月頃一斉に顔を出す。彼方に浮かぶ利根川高瀬舟は、江戸時代から明治にかけて東北と江戸を結んだ利根川水運の主役であった。  (デザイン: 安富 佐織  説明文:海老原 淳)