理事会主催シンポジウム
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日本植物学会第78回大会では、例年通り理事会主催シンポジウムを開催します。 通常のシンポジウムの概要については、こちらをご覧ください。
理事会主催シンポジウム
本音で語ろう若手のキャリアパス~研究者貧乏よ、さらば~
オーガナイザー:篠村知子(帝京大)小山内崇(理研)
昨今は多くのアカデミックポジションが任期付きとなり、また、ポストが減ることも多く、若手研究者の雇用環境を取り巻く状況は厳しい。特に、植物基礎科学は応用に直結しないため、専攻をためらう学生も多い。植物科学の基礎研究を 職業として続けていくことは、非常に難しいことである。今まさに我々は、今後どのようにこの分野を発展させていけるかという重要な岐路にあることを、多くの研究者が問題視している。
何が問題なのだろうか?ひたすらに刻苦勉励するだけではいけないのだろうか?反対に、成果を出した一流の研究者が、裕福な暮らしを望むのは罪悪なのだろうか?純学問的価値と産業応用は相反するものなのだろうか?アカデミック ポジションと企業への就職は、対立するものなのだろうか?私たちは「企業」に対する正しい認識をもっているだろうか?よく知らないという理由だけで、より広い世界への窓を閉ざしてはいないだろうか?これらの問いは、植物学会のアイデンティティをどこに置くかという学問への根源的な問いと密接に関係している。
本シンポジウムでは、まずは互いによく知らないことへの理解を深めることから始めたいと考え、幅広い年代層の研究者の問題意識を共有することを目指す。さらに、学位取得後、様々な分野、特に企業に進んだ方々を集め、多様な進路について紹介したい。この紹介は、アカデミックポジションの受け皿を増す意図ではなく、業界・分野の枠を取り払い、研究も、技術開発も、ビジネスも、偏見を排して健全に発展させたいという希望のもとに行う。単に体験談の紹介だけでなく、植物科学出身の若手が安定した雇用を達成しつつ、その職務を全うし続けられるかについて、建設的な方法を提案していく場を作っていきたいと考えている。