ご挨拶
公益社団法人日本植物学会第80回沖縄大会は、平成28年9月16日(金)~ 19日(月)の4日間、沖縄コンベンションセンターおよび沖縄県立博物館・美術館にて開催されることになりました。
日本植物学会は、前身である東京植物学会(1882年創設)を含めると、130年以上の歴史を誇る伝統ある学会の一つです。1世紀以上にわたる長い学会史の中で、植物学会大会が沖縄で開催されるのは今回が初めてとなります。
我が国の大学の歴史を省みると、沖縄県は長く大学不在県であったことがわかります。琉球大学は、沖縄初の高等教育機関として、米国軍政府によって1950 年に設立されました。琉球大学の創設は、社会の将来を担う新しい人材の育成と、智の力によって沖縄の戦後復興を助力するという二大目的を実現させるためでありました。なかでも、琉球大学理学部は創立時から設置されている学部の一つで、65年にわたり、沖縄の植物学研究と教育を担ってきました。2011年には、新たに沖縄科学技術大学院大学(OIST)が誕生し、分類学、生態学、生理学に加えて、沖縄の生物を対象としたゲノム科学の研究領域も盛んになってきています。
亜熱帯サンゴ礁マングローブ域にある沖縄は、陸域および海域ともに生物多様性のホットスポットとして世界的に知られています。生態や生活史が不明な未記載種も数多く存在し、新たな発見と驚きがあります。個性的な自然環境に加えて、海洋大交易時代に栄えた琉球王朝の文化や伝統もご覧いただけると思います。植物学会初となる沖縄大会では、沖縄の自然と琉球の文化を体験して頂きながら学会員相互の交流を深め、活発な意見交換の機会になればと願っております。
皆様のお越しを心よりお待ち申しあげます。
日本植物学会第80回沖縄大会会長
琉球大学 理学部 教授
中村宗一