【お知らせ】「植物に見られる多様な栄養繁殖戦略」の最新総説集(植物科学の最前線:BSJ-Review)を公開
2023年6月23日
みなさま
昨年秋の日本植物学会京都大会で行われたシンポジウム「植物に見られる多様な栄養繁殖戦略」の内容が、日本語総説集:植物科学の最前線(BSJ-Review)BSJ-Review_14Bとして公開されました。
植物科学の最前線(BSJ-Review)のウェブサイトは以下です。どなたでもご覧いただけます。
http://bsj.or.jp/jpn/general/bsj-review/
栄養繁殖とは、親の体の一部分が分かれて子を増やす無性生殖様式の一つです。葉・茎・根といった器官に由来し、遺伝的には親個体と同一のクローンが生み出されます。地球上に存在する被子植物は約30万種あると言われていますが、その中の約7割が栄養繁殖をする能力を持つという報告もあります。被子植物では栄養繁殖形質が繰り返し進化してきたことが示唆されており、多くの分類群は栄養繁殖を行う種と行わない種の両方を含みます。栄養繁殖の例として、地下茎(茎由来)、匍匐枝(茎由来)、塊根(根由来)、無性芽(芽由来)といった器官があげられますが、これらの器官は遠縁の分類群においても見られ、収斂進化の一つの例といえます。これら植物に見られる多様な栄養繁殖戦略に関する最新の知見が紹介されています。(巻頭言より抜粋)
- 別所-上原奏子・天野瑠美:巻頭言 「植物に見られる多様な栄養繁殖戦略」
- 別所-上原奏子:地下茎による栄養繁殖を支えるメカニズム
- 内海好規・関原明:熱帯作物キャッサバの塊根形成メカニズムの解明と分子育種研究
- 酒井友希・石崎公庸:ゼニゴケの脅威の繁殖力を支える分子基盤
- 吉田明希子:ウキクサの繁殖メカニズムとその農学的応用
- 荒木希和子:野生植物にみる多様な栄養繁殖戦略
(公社)日本植物学会 電子出版物編集委員会
問合せ先 bsj@bsj.or.jp