(公社)日本植物学会会長就任にあたって
3月7日に行われた2021年度第4回の理事会で認められ、2年間会長をつとめることになりました東京大学の寺島一郎です。三村徹郎前会長をはじめとする前執行部は、種々の改革を敢行し、新たな活動も開始されました。学会員以外の市民へのサービスにも努力されたと思います。これらを継承しつつ少しでも前に進められたらと思います。どうぞよろしくお願いします。
最近の学会活動については、三村前会長が「2021年の初めにあたって」に、初のオンライン大会だった昨年9月の名古屋大会の大成功、投稿数が年間1000論文に届こうとするJournal of Plant Researchの躍進、毎年1回の一般向け講演会シリーズの開始と第3回のYou tube配信講演会の反響、「30年後の植物科学」の文集企画などについてお書きになっています。まだの方はぜひご一読ください(こちら)。
今年度の大会は、9月16日にオンラインポスター講演を行ない、1日空けて、18日~20日に東京都立大において対面で口頭発表、シンポジウム、授賞式などを行う予定で、村上哲明大会会長らが鋭意準備をすすめています。新型コロナウィルスの状況が予断を許しませんが、是非参加をご計画ください。4月12日より参加申込みの受付を開始しました。開催情報については大会のHPをご覧ください。
7月10日~9月20日、国立科学博物館で特別展「植物―地球を支える仲間たち」が行われます(HP)。三村前会長が監修者の一人であり、本学会の多くの会員が準備段階から関わるなど、日本植物学会は学術協力団体として特別展を積極的に支援しています。今年度の一般向け講演会は、特別展の会期に合わせて行うようただいま準備中です。
次に2件、お願いをいたします。
1)会員情報管理システムをご利用ください。
かつて学会は、会員に会員名簿を送付していました。個人情報保護の観点からこれを廃止し、そのかわりに、伊藤正樹前広報委員長や郷達明委員が多大な時間を費やし、より多くの用途にも対応可能な会員情報管理システムが完成しました。個々の会員が情報を管理し、会員個人が提供してよい連絡先などの公開情報を自由に選べるようになりました。また、選挙もこのシステムを利用して行えるようになりました。システムの詳細についてはこちらをご覧ください。会員には、2021年2月22日付で事務局よりログイン情報をメールでお知らせしました。ログイン後、初期設定を行ってくださるようお願いします。メールを削除してしまった方は、事務局にお問い合わせください。
2) 寄付をお願いします。会員以外の植物愛好者への寄付のよびかけもお願いします。
植物学会では、会員のみならず広く一般の方々に、基礎植物科学へのご支援を頂くための寄付をお願いしています。寄付の種別や手続きの方法については、こちらをご覧ください。今年度は順調に行けば、政府の要件を満たし「税額控除」の適用を受けることができるようになります。そのためにも、なるべく多くの方からの寄付が必要です。会員以外の方からも寄付をいただけるよう、私たちも努力します。
私が学会運営に執行部として参加するのは、1991~92年に、竹内郁夫会長、和田正三幹事長の執行部の庶務幹事をつとめて以来です。1992年には、任意団体だった植物学会が社団法人となりました。また、今関英雅編集長のもと、Botanical Magazine, Tokyo(植物学雑誌)をJournal of Plant Researchと変更することが決まりました(1993年3月号から名称を変更し刊行)。この準備のために、竹内会長、和田幹事長、今関編集長、松浦克美会計幹事が大車輪で仕事をされました。私はまったく役立たずで、おろおろするばかりでした。
30年前といえばアナログの時代でした。たしかに、この30年で、いろいろと便利になりました。しかし、研究の現場では、便利になったからこそ雑用も増え、そのあおりで研究時間は減っているのではないでしょうか。何といっても本学会の第一の目的は植物学の推進にあります。より多くの時間を研究にあて、研究を楽しみ、新たな発見をし、それを大会などで議論し、Journal of Plant Researchで世に問う、というのが基本です。やはり、この基本活動をきっちりと支援する学会でありたいと思います。私自身は会務についてはほとんど素人ですが、石田健一郎専務理事、且原真木編集委員長、堤千絵庶務担当理事、吉田大和会計担当理事、矢守航前会計担当理事、遠藤求広報委員長(以上運営委員会)や、事務局の二宮三智子さん、北川佳子さんらとともに、代議員選出理事や監事各位のご指示を仰ぎつつ、しっかりと取り組むつもりです。会員の皆様のご支援、ご指導、ご鞭撻をお願いします。
右上の写真は、4月11日に自宅の植え込みで撮影しました。ボタンがこんなに早く咲いてニリンソウと同時に花が楽しめたのは、この15年間で初めてです。